こんにちは。きたはちです。
2019年東日本豪雨のとき災害ボランティアセンターで働いていました。
浸水にあった人の中には、「物をどんどん捨ててしまって後悔した」という人も多いようです。早く片付けたいところですが、何でも捨ててしまうのもいけないみたいですね。
そこで、この記事では、浸水にあって濡れてしまっても使えるものと使えないものを分けてみました。知っておけば、片付けに悩む時間を減らせるという意味でも浸水対策になります。
浸水したら使えないもの

畳・じゅうたん・ふとん
畳やじゅうたん、ふとんなど厚みのあるものは水にぬれると捨てるしかありません。「洗える畳」というものもありますが、開発されたのは最近だそうです。畳床にポリウレタンを使用しているものであっても一部にワラが使われているのでやはり濡れたら使えません。
システムキッチン・洗面台など
外見上問題がないように見えても、放置すると裏側にカビが生えてくるようです。
タンス・棚
木や合板で作られた家具類は反り返ったりカビがはえたりしてきます。
家電
家電類は濡れてしまうとほぼ使えないと考えたほうがいいようです。浸水の場合、処分するときにはリサイクル費用が免除されることがあります。
状態によるもの

携帯電話・スマートフォン
もし、携帯電話やスマートフォンが水に浸かってしまったら、電源を入れずに電池、SIMカード、SDカードを取り外して乾かしてください。
浸水があったときには通信キャリアによっては新規購入や故障修理の割引が受けられたり、一部のサービスが無料になったりします。
また、災害時には公衆WI-FI無料SSID「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」が解放されます。「00000JAPAN」は暗号化されていないので、個人情報やお金に関わるサービスは利用せず、緊急時の情報収集のみに使用するように注意してください。
自動車
浸水があった時には「車高の高いオフロード車にしておけばよかったな」と思いましたね。壊れはしませんでしたが、水たまりに入ったり、泥はねがたくさんありました。
走行時はマフラーまで水没しないようにしてください。自動車の床面まで浸水してしまった場合はエンジンをかけずにディーラーなどに連絡してください。
また、発火を防ぐためにバッテリーのマイナス端子を外しておきましょう。
しばらく乗らない場合は車検証を取ってナンバーを外しておきましょう。車に関しては便乗詐欺が起きる可能性があるので、「無料で処分する」などの話にはだまされないでください。
衣類・着物
すぐに洗って乾かせば使える場合もあります。着物は濡れたまま放置しておくとカビが生えやすいようです。
エアコンの室外機
乾かせば使える場合がありますが、電気店などに点検してもらってからにしてください。
トイレ・風呂釜
電気系統が濡れていなければ使える場合があります。
ふすま・障子
桟や枠であれば乾かせば使用できる場合があります。
大切な本・写真
大切な本や写真は捨てたくないですよね。お宅によっては代々伝わる書物や文化的に価値のある書物などもあるかと思います。
ページ同士がくっついていたら無理にあけないでください。ドライヤーや天日干しで急激に乾かすのもいけません。アルコールと霧吹きを使ってカビを防止しながら間に一枚一枚キッチンペーパーなどをはさんで陰干しするとよいそうです。
参考:
歴史資料ネットワーク

被害を受けた写真・アルバムに関する対処法(富士フイルム)

再発行または替えてもらえるもの
現金・通帳など

紙幣は3分の2以上残っていれば全額、5分の2以上3分の2未満残っていれば半額分の紙幣と交換してもらえます。
預金に関しては、災害時には通帳や印鑑がなくても本人確認ができれば窓口で引き落としができます。通帳の再発行手数料も無料になることが多いようです。いずれにしても窓口での引き落としになるので、近くの郵便局や銀行に口座を持っておくことも浸水対策になりそうですね。
本人確認書類
運転免許証の再発行にはマイナンバーカードか健康保険証、パスポートが必要です。災害の場合の再発行手数料はマイナンバーカード、健康保険証については無料になりますが、パスポートについては特例法の制定がない限り無料にはならないようです。
本人確認書類 | 窓口 |
---|---|
運転免許証 | 警察署、免許センター |
マイナンバーカード、 パスポート | 市区町村 |
健康保険証 | 市区町村もしくは事業所 |
洗えば使えるもの
食器
木製のものは変形してしまう場合がありますが、陶磁器やガラスは割れていなければ洗って再使用できます。塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)や逆性石けん(オスバンSなど)で消毒してください。ゴム手袋をして表示通りに薄めて使いましょう。
まとめ
食器以外は濡れてしまうと状態によっては全部使えないと言えるかもしれませんが、余計なコストの削減や大切な思い出のためにもちゃんと判断して残したほうがいいですよね。貴重品から確認して、捨てるしかないものから捨てるなど、順番に判断していくのも必要かもしれません。もしもの時に何を捨てるか考えておくことも浸水対策の一つです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
参考:
震災がつなぐ全国ネットワーク 「水害にあったときに」(pdf)
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