あなたの住んでいる地域では災害ごみをどうするか決めていますか?
こんにちは。きたはちです。
2019年の東日本豪雨のとき災害ボランティアセンターで働いていました。
災害ごみについての問い合わせは、浸水からしばらくたった後も多かったですね。
この記事では、もし床上浸水が起こってしまったら、災害ごみをどのように処理すればいいかをまとめてみました。
家の前にたまった災害ごみは、近くの公園に置かせてもらうことを提案します。
浸水した時に出る災害ごみとは?

浸水して捨てるしかないごみや災害によって出たごみは、すべて災害ごみです。
家財道具や畳といった大きいものや、断水時の簡易トイレのごみなども災害ごみです。
また、企業や事業者のごみについては事業系の一般廃棄物と産業廃棄物に分けられます。
事業系の一般廃棄物は災害ごみとして処分できる場合がありますが、産業廃棄物については市区町村では受け入れられないようです。
事業主の皆さんは、企業として災害ごみの取り扱いを決めておくことも必要です。
災害ごみを処理する方法なんて必要?

災害ごみなんて実際に出るの?
と思っていませんか?
床上浸水になって水に浸かってしまった家具、畳はほとんど使えません。
浸水してきた水には川の水だけでなく下水、汚水も混ざっています。
乾いてきても中にしみ込んだ水分がニオイを発してしまいます。
木製の家具は乾いても板が反ってしまいます。
床上浸水すると家具や畳をはじめとする大量の災害ごみが出るのです。
畳は浸水したら使えない?

床上浸水で畳が水没してしまったら再利用はできません。
畳は畳表がい草、畳床はワラでできています。
繊維が細かいので天日干しでは乾ききらないですし、変形することもあります。
ポリスチレンフォームを使った畳もありますが、一部ワラが使われている場合があります。
最近は「洗える畳」もあるようですが、逆にいうと普通のポリスチレンフォームの畳は洗えないということですよね。
普通に使われている畳は浸水したら処分するしかないと思ってよいでしょう。
生活スペースの確保が大切!
生活スペースを確保するために、災害ごみはいったん家の外に出します。
近所の方々やボランティアに手伝ってもらい、災害ごみを片付けましょう。
ケガに注意!

災害ごみを片付けるときにはしっかりとした服装や装備を身につけましょう。
ケガをすると、傷口から病原菌が侵入して破傷風や感染症になる恐れがあります。
また、水を含んだ家具、特に畳は非常に重くなります。
一枚の畳をあげるのに大人4人は必要になります。
腰を痛める可能性があるので、体力に自信がない方は無理をしないようにしてください。
災害ごみはどこに捨てればいいの?
災害ごみを捨てる場所は次の4つが考えられます。
ごみ処理場
自治体の指定する仮置場
近くの公園や広場(指定外仮置場)
家の敷地内や道路脇
ごみ処理場

災害ごみはごみ処理場に持っていけば安心です。
災害ごみの処理手数料については無料になることが多いです。
普通、大量のごみをごみ集積場に持ち込む場合は処理手数料がかかりますよね?
災害ごみの処理については自治体で減免措置を受けられます。
ただ、分別の方法が異なったり、一定の期間を過ぎると減免措置が終了してしまったりと自治体によって対応が分かれますので、お住まいの自治体の情報に従ってください。
しかし、私のいた自治体では、浸水の直後は混雑が起こり、渋滞が発生しました。
災害ごみをごみ処理場に持っていくのは状況が落ち着いてからの方がよさそうです。
自治体の指定する仮置場

仮置場とは処分しきれない災害ごみを一時的に置いておくところです。
自治体の規模にもよりますが、私のいた自治体では仮置場が4か所設置されました。
市営の運動場や大きな公園が災害ごみの仮置場になりました。
浸水の直後は大量の畳や粗大ごみで埋め尽くされ、浸水した地域に近い仮置場はすぐにいっぱいになってしまいました。
近くの公園や廃校(指定外仮置場)

浸水直後、近くにあった仮置場がいっぱいになってしまったという人や仮置場までごみを持っていく車がない人から問い合わせが多くありました。
私のいた自治体では、一番近い公園や廃校が災害ごみの置き場所として使われました。
公園が仮置場として使われるようになってから、災害ごみの相談が徐々に減っていった覚えがあります。
捨てる場合は、町内会長さんや自治会長さんの了解があるとより安心です。
公園に置いたごみは自衛隊が回収してくれました。
家の敷地内や道路脇

急いで処理する必要のないものは家の敷地内や道路脇に置いておくしかありません。
公園や仮置場に運ぶまでは自宅に置いておきましょう。
私のいた自治体では、住宅にある災害ごみは神戸市から来た災害ごみ処理チームが順次回収しに来てくれました。
神戸市の方々は災害ごみのスペシャリストで、瞬く間に街がきれいになっていきました。
その後、公園の利用や仮置場が閉鎖された後は、市が回収するようになっていきました。
しかし、すぐに回収に来てくれるとは限りません。
道路わきに災害ごみを置くときは通行の邪魔にならないよう気をつけてください。
土砂はどうすればいい?

浸水すると、川や川に流された土によって大量の泥や土砂が流れてくることがあります。
大量の泥や土砂は個人では片づけきれませんので、家族や近所の方々、ボランティアに依頼をしましょう。
泥は乾くと粉じんを舞い上げることがあります。
泥は土のう袋に入れるか、積み上げてブルーシートをかぶせておくと安心でしょう。
自治体によって土のう袋に入れるかどうか対応が分かれるところなので、自治体の情報に従ってください。
私のいた自治体では泥や土砂は仮置場か、自宅の近くに置いておくという対応でした。
自宅近くに置いた場合は、自治体が順次回収していました。
まとめ
「災害ごみの処理方法は各自治体の判断をあおいでください」
というのは簡単ですが、実際に浸水にあったら悠長に待っていることはできません。
衛生的に問題になったり、交通上問題になったりしますので、迷惑の掛からない範囲で適切な処理方法を選んでください。
その一つとして、この記事では公園など指定されていない仮置場に災害ごみを置く方法を提案しました。
なお、堺市では公園が「市民仮置場」として定められ、その他の仮置場も「一次仮置場」、「二次仮置場」に分けられていました。
自治体と協力して災害ごみの仮置場についてあらかじめ決めておくといいかもしれません。
災害ごみの処理について考えておくことも浸水対策の一つです。
これから起きるかもしれない災害のために役立てられれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
参考:
~もしもの時のごみの手引き~災害廃棄物処理ハンドブック(堺市)
事業系の災害ごみについて(一般廃棄物、産業廃棄物)(佐賀市)

コメント