【浸水対策】床下に潜って泥出しをする方法【乾燥が大事です】

浸水したらこうなる

こんにちは。きたはちです。

2019年東日本豪雨のときに災害ボランティアセンターで働いていました。

水害が発生した最初のころは、床下の泥を放置してしまうことの悪影響についてまだわかっていませんでした。

住宅が浸水してしまい、床下に泥が入り込んでしまった場合、放置しておくと床や壁にカビが発生してしまいます。新たな工事費用がかかってしまうだけでなく、カビやニオイによって健康が害されてしまう恐れがあります。

業者に依頼すれば間違いないですが、水害が発生すると注文が殺到して何日も待つことになります。その間に住宅の状態が悪化する恐れがあるので、応急処置を自分でできるようにしておくのも水害対策の一つです。

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床下に潜って泥出しをする方法

床下換気口(イメージ)

床下収納床下換気口から泥や水の状況を点検します。

水がある場合は水を抜いてから作業をします。水が多量にたまっている場合は水中ポンプを使って排水しましょう。

床下の泥出しをする手順は大きく分けるとつぎの通りです。

①泥を取り除く

②乾燥をする

③消毒をする

この中でも乾燥は特に重要です。

泥出しができなくても、少しでも乾燥させるようにしてください。

①泥を取り除く

住宅の中に泥や浸水した水がある場合はきれいに洗い流したり拭いたりしましょう。

床下の泥を取り除くときには換気をして2人以上で行います。

床下にある断熱材が湿っていれば取り除きましょう。断熱材がグラスウールの場合は、粘膜や皮膚に悪影響がある場合があるので、十分な装備をしてから取り除いてください。

布基礎、ベタ基礎の場合

壁に沿って基礎がつながっている構造です。最近の住宅に多いです。

ベタ基礎の場合は地面がコンクリートですが、布基礎の場合、地面は土かコンクリートになります。

基礎がつながっているので床下収納からすべての床下にアプローチすることができない場合があります。泥が入ってしまった場合は床板を切らなければいけないかもしれません。

最近の住宅は電気系統など複雑な構造になっている場合があるので、切る場合は住宅メーカーに相談してください。

浸水が心配な方は、あらかじめ業者に頼んで床下点検口を増やすとよいでしょう。

独立基礎の場合

柱1本につき、束石が1個ある基礎の場合です。昔ながらの住宅に多い構造です。

床下の泥を確認したら、泥を取り除く前に畳を上げて床板をはがします。

泥や床下浸水の程度によりますが、畳をあげておくだけでも湿気をとる効果があります。

床下に潜って作業をするときの装備

全てそろっていなくてもいいですが、マスク、ゴーグル、ゴム手袋、ヘルメットがなければ帽子など、最低限身を守る装備はしてください。

イラスト/きたはち

防塵マスク

ゴーグル

軍手、ゴム手袋

カッパ

不織布つなぎ

ヘルメット

長ぐつ

照明器具(ヘッドライト、懐中電灯、LEDランタン、LED投光器)

床下に潜って作業をするときの道具

泥出しを行います。

木材や基礎についた泥もにおいの原因になるので、洗い流したり、きれいに拭き取ったりしてください。

移植ゴテ

じょれん(半月ホー)

スクレーパー

ちりとり

てみ

養生テープ、マスカー、養生シート

移植ゴテ

先が平たいの小型のシャベルです。狭い場所での作業になるので小さめの道具が役に立ちます。

じょれん(半月ホー)

先が短いクワのようなものです。泥をかき出すのに便利です。

スクレーパー

お好み焼きのヘラのような道具です。

建材についた泥をこそぎ落とします。

また、泥がある程度乾燥してひび割れているとスクレーパーではがすように取ることができます。

ちりとり

泥を持ち運ぶのに使います。頑丈なもののほうがよいです。

てみ

ちりとりより多くの泥を持ち運べます。

プラスチック製でなく、ガルバリウムなど頑丈なもののほうがよいです。

養生テープ、マスカー、養生シート

マスカーはテープとビニールシートが一緒になったようなもの、養生シートはロール状になっている薄いブルーシートのようなものです。

床や壁、建材が汚れないようにカバーするために使います。

建材を傷めないためには必要です。

②乾燥をする

床下の乾燥にはダクト付きの送風機があるとよいです。

床の湿気をとりたい場合は中から外へ、外の乾いた空気を送りたい場合は外から中へ風を送ります。

東日本豪雨のときは送風機がない場合がほとんどでしたので、みなさん扇風機やサーキュレーターを使っていました。

③消毒をする

消毒は乾燥の後にしてください。

泥の上から消毒をして、そのあと床下の泥をとっても、消毒した泥をとることになるので意味がありません。

屋外及び床下の消毒については、厚生労働省で必要ないという見解が示されています。

水害の規模によっては自治体で無償で行う場合もあります。

泥を取り除いて木材や基礎についた泥をきれいに拭き取ったら、逆性石鹸(オスバンなど)を100~200倍に薄めた液をつけて絞ったぞうきんで木材を拭き取ってください。

その他の部分については、逆性石鹸の水溶液や消毒用のエタノールを噴霧します。

消毒及び乾燥のために土に消石灰をまく方法もありますが、目に入ったり肌に触れたりすると危険なため取扱に注意してください。

消毒液の噴霧と消石灰については危険を伴うので業者に任せたほうがいいかもしれません。

まとめ

浸水対策として、床下の泥を取り除き、乾燥して消毒する方法をまとめました。

繰り返しですが、特に重要なのは乾燥です。

乾燥によるカビの発生によって住宅にも健康にも悪影響があります。住宅の中の泥を洗ったり吹いたりして落としたら、床下の泥出しができなくても乾燥させることははじめてください。

また、紹介した装備や道具は床下に潜る作業を募集している災害ボランティアの場合にも役に立ちます。全ての道具を災害ボランティアセンターで用意していない場合もあるので、災害ボランティアに行きたい人も参考にしてみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

参考:

水害にあったときに(pdf、震災がつなぐ全国ネットワーク様)

https://blog.canpan.info/shintsuna/img/E6B0B4E5AEB3E381ABE38182E381A3E3819FE381A8E3818DE381AB_E5868AE5AD90E78988_E7ACAC5E78988201910_.pdf

水害ボランティアで役立った道具の紹介(ボランティアチーム援人様)

水害ボランティアで役立った道具の紹介
洪水などで床上・床下浸水してしまったお宅でお手伝いする際、持参している道具を紹介します。

被災したフローリングの処置について(風組関東様facebook)

https://www.facebook.com/zkaze/posts/2354263664601473

被災した家屋での感染症対策(厚生労働省)

被災した家屋での感染症対策
災害時には、感染症の拡大リスクが高まります。家屋の清掃で感染症を発症する恐れもありますので、注意しましょう。家屋での感染症対策について、下の資料をご活用ください。
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プロフィール
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きたはち

2019年東日本豪雨のとき災害ボランティアセンターで働いていました。
社会福祉協議会の勤務は4年半。浸水した住宅へ訪問することから運営資金の確保まで行っていました。浸水した住宅に行ってボランティアをしたこともあります。当時の経験をもとに今後起きるであろう災害のためにできることがないかと思いこのサイトを立ち上げました。

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